ALTERNA(オルタナ)のサービスを利用する”良い点”と”悪い点”を教えてほしい
本記事では、三井物産グループが運営する「ALTERNA(オルタナ)」の魅力や注意点をわかりやすく解説します。
ALTERNAは、大型不動産に手軽に投資できる新しいサービスです。
国内大手上場企業である三井物産グループが運営しているため、安心して利用できる点も魅力の一つです。
ただし、まだ馴染みのないサービスであり、「オルタナティブ投資」や「デジタル証券」といった難しい言葉が使われているため、理解しづらい部分もあります。
そこで、本記事ではALTERNAのサービスの魅力をわかりやすくお伝えします。
ALTERNAでの不動産投資には魅力がありますが、投資にはリスクも伴います。
そのため、メリットだけでなく、利用する際の注意点もきちんと理解しておきましょう。
ALTERNAサービスの特徴とは?
ALTERNA(オルタナ)は、大型不動産物件への投資を手軽にできるようにした新しいサービスです。
個人投資家には難しかった良質なオルタナティブ資産への投資を、小口の証券投資という形で実現しました
都内の数十億円を超える物件は「立地」や「設備」が優れており、投資物件として非常に魅力的です。
しかし、大型不動産物件を個人で購入するのは資金面で簡単ではありません。
そこで、このサービスでは、個人がエントリーできなかった高価な投資物件を小口証券化し、多くの人が購入できるようにしています。
オルタナティブ投資ってなに?
ALTERNA(オルタナ)の名前は、オルタナティブ投資から取られています。
ただし、「オルタナティブ投資って何?」と感じる方も多いでしょう。
オルタナティブ投資とは、株式や債券以外の資産に投資することを指します。
具体的には、伝統的な資産である「不動産」や「インフラ」への投資が含まれます。
オルタナティブ投資は、株式や債券とは異なるリスクとリターンを持っており、ポートフォリオに組み入れることでリスク分散の効果が期待されます。
実際に、リスク分散の手段として、機関投資家も多くの資産をオルタナティブ資産で運用しています。
そのため、すでに株式や債券に投資している方には、分散投資の一環としてオルタナティブ投資を利用することをおすすめします。
ハーバード大学基金では、卒業生からの寄付金をオルタナティブ投資に活用し、高いパフォーマンスを実現しています。
現在、株式や債券が注目されていますが、ポートフォリオのリスク分散を図るために、別の投資先を検討するのも良いでしょう。
ALTERNAを活用する5つのメリット
ALTERNAを活用するメリットは次の通りです。
- 投資対象が明らか
- ミドルリスク・ミドルリターン
- 確定申告不要(分離課税)
- 運営が三井物産グループ
- スマホでの取引が可能
順番に解説していきます。
メリット①投資対象が明らか
ALTERNAの魅力は、投資対象がはっきりしている点です。
近くの投資物件であれば、実際に現地を訪問して外観や立地を確認することもできます。
- 物件の室内やエントランスなどの写真も確認できます。
- これにより、投資物件の詳細を把握し、需要や将来性を予測することができます。
投資物件の例
メリット②ミドルリスク・ミドルリターン
不動産の現物投資は、ミドルリスク・ミドルリターンの投資商品です。
そのため、「株式ほどリスクは取りたくないけれど、現金をただ眠らせておくのは嫌だ」という方におすすめです。
- 株式の投資比率が高く、ポートフォリオの分散性を高めておきたい
- リスクをあまり取りたくない
- インフレ対策をしておきたい
上記のような方は、ALTERNAのご利用を検討してみるとよいでしょう。
メリット③確定申告不要(分離課税)
ALTERNAの投資は、株式と同様に分離課税が適用されます。
そのため、分配金の約20%が課税対象です。
通常の不動産投資では「総合課税」が適用され、給与と合算すると税率が30%を超えることも多いでしょう。
税制が優遇されている点も、ALTERNAを利用する魅力の1つと言えます。
会社員の方で、日頃から確定申告をしていない方は、口座開設時「確定申告をしない」を選択しましょう
メリット④運営が三井物産グループ
ALTERNAは三井物産グループの「三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社」が運営しています。
会社概要
社名 | 三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社 |
---|---|
所在地 | 〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町1丁目9-8 人形町PREX 4階 |
資本金 | 30億円(2023年5月10日時点) |
代表者 | 代表取締役社長 上野 貴司 |
設立 | 2020年4月 |
事業概要 | デジタル技術を活用した、不動産・インフラを中心とする実物資産のアセットマネジメント事業 |
出資比率 | 三井物産 53% LayerX 35% SMBC日興証券 5% 三井住友信託銀行 5% JA三井リース1% イデラキャピタルマネジメント1% |
日本を代表する大手商社の三井物産のグループ会社なので安心感があると言えます。
メリット⑤スマホでの取引が可能
ALTERNAは、スマホだけでサービスの申し込みから投資まで行えます。
郵送の手続きも不要で、すべての申し込みがスマホ上で完了します。
物件の運用状況やファンドの管理、毎月のレポートもスマホでチェックできます。
ALTERNAを活用する5つのデメリット
ALTERNAへの投資を検討する場合は、正しくデメリットも理解しておくことが大切です。
- 売却損が発生する可能性がある
- 償還時期が変更されることがある
- 購入は1口単位となる
- 売却不可期間に注意する必要がある
- 分配金は増減することがある
順番に解説いたします。
注意点①売却損が発生する可能性がある
ALTERNAを活用した不動産投資では、通常の金融商品と同様に売却損が発生する可能性があります。
売却損が発生する可能性
運用終了時に投資不動産で売却損が発生した場合、出資金の一部が減ることがあります。
通常の現物不動産投資同様のリスクがある。
一方、不動産の現物価格指数は、東証REIT指数と比べて値動きが穏やかです。
ALTERNA公式のデータ
このため、通常の投資と同様のリスク面はあるミドルリスク・ミドルリターンの金融商品と認識しておきましょう。
注意点②償還時期が変更されることがある
ALTERNAの投資対象には運用期間(償還予定)が設定されています。
ただし、利益の最大化が見込まれる売却機会があれば、早期に売却されることがあります。
また、利益の最大化のために期間の延長が必要と判断された場合には、運用期間が延長される可能性があることを理解しておきましょう。
事前に決められた期間を保有すれば、投資家の判断で早期売却も可能です。
そのため、過度に心配する必要はないでしょう。
注意点③購入は1口単位となる
投資は1口10万円からと少額で始められます。
一方、資産額によっては投資信託のようにさらに少額から投資したいと考える方も多いでしょう。
そのため、自身の資産状況に応じて利用を検討することをおすすめします。
注意点④売却不可期間に注意する必要がある
ALTERNAの投資物件には「売却不可期間」の設定がされています。
例として、2023年6月募集の物件は11カ月間売却不可となります
このため、余裕資金での投資をするようにしましょう。
相続や大規模自然災害が発生した場合、売却不可期間中でも売却申込みの手続きを行うことが可能です。
ただし、この手続きは保証されておらず、状況に応じて売却できない場合もあります。
大規模自然災害が発生した際には、災害救助法の適用状況に応じて公式サイトを確認しましょう。
注意点⑤分配金は増減することがある
通常の金融商品と同様に分配金の増減が発生することがあります。
対象不動産の各部屋の賃貸借契約に基づいて、毎月テナントから賃料が入金されます。
その後、諸コストやローンの利子支払、リザーブ金などを差し引いた金額が、年2回、投資家に配当されます。
金融商品として当然の注意点ではありますが、あくまで想定利回りである点については理解しておきましょう。
ALTERNA初号案件
※現在は募集が終了しております
これらのメリットとデメリットがあるALTERNAの初号案件について、物件情報をチェックしてみましょう。
- 投資金額|1口あたり10万円~
- 想定利回り|3.0%
- 運用期間|4年10ヵ月
これは、2022年4月に竣工した大型マンション物件です。
大手町までわずか4分という超一等地に位置しています。
33億円の投資物件で、通常個人では投資できないため、新しい投資スタイルの一つと言えます。
具体的な投資物件を確認できる点も魅力です。
物件詳細の動画(公式サイトより)
ALTERNA気になるQAのまとめ
ALTERNAの気になるQAをまとめました。
Q1.デジタル証券ってなに?
2020年5月に施行された改正金商法で新たに定義された有価証券です。
ブロックチェーンなどのシステムを使ってトークン化(電子化)し、権利の移転を可能にします。
2021年以降、不動産を中心に拡大傾向にある取引方法となります。
ブロックチェーンは改ざんやコピーがほぼ不可能な技術です。
しかし、過去に暗号資産の流出事例があったため、不安を感じる投資家も少なくないでしょう。
デジタル証券は、過去の事例を踏まえ、投資家保護を目的とした厳重な管理が行われています。
Q2.商品名の「譲渡制限」ってなに?
ALTERNAのサービス以外では売買ができないことを指します。
また、売却不可期間やALTERNAが設定する条件が適用される場合、必ずしも売却できないことがある点に注意が必要です。
不動産REITのような上場商品とは異なり、流動性に制限がある点を理解しておく必要があります。
Q3.口座開設の条件は?
- 年齢は18歳以上
- 日本の居住者
また、口座開設を行う際には、スマートフォンまたはタブレット端末、本人確認書類、出金先とする銀行口座の情報を準備しておく必要があります。
Q4.投資スタートまでの流れが知りたい
ALTERNAご利用開始までの流れは以下をご参照ください。
- 口座の開設
- 案件の閲覧・確認
- 入金する
- 案件の抽選による申込み
- 約定と受渡
発行口数を超える応募がある場合には、抽選となるので注意しましょう。
Q5.不動産現物とALTERNAの違いはなに?
不動産現物とALTERNAの異なる点は以下の通りになります。
ALTERNA | 不動産現物 | |
運用期間 | 5年程度 | 投資家次第 |
投資単位 投資対象 | 10万円~ | 数千万円以上 |
物件管理 | プロにお任せできる | 自主管理する |
売買 | 一定の制限がある | 売却先と交渉する |
税制 | 申告分離課税 | 総合課税 |
10万円という少額から投資できる点が魅力です。
また、不動産現物投資では、本業の年収が高い場合、総合課税により最大55%の税金が課されます。
そのため、ALTERNAの申告分離課税が適用される点は大きな強みと言えるでしょう。
Q6.出金手数料はいくら?
2023年6月22日以降は月1回まで無料に改定されました
証券口座から銀行口座への出金手数料が改定され、月に1度まで無料になりました。
そのため、振込無料の銀行口座を利用すれば、入出金手数料を気にせず取引することができます。
ALTERNAを活用する5つの魅力 <まとめ>
本記事では、三井物産グループが運営する「ALTERNA(オルタナ)」の魅力と注意点を解説しました。
ALTERNAを活用することによるメリット
- 投資対象が明らか
- ミドルリスク・ミドルリターン
- 確定申告不要(分離課税)
- 運営が三井物産グループ
- スマホでの取引が可能
ALTERNAの注意すべき点
- 売却損が発生する可能性がある
- 償還時期が変更されることがある
- 購入は1口単位となる
- 売却不可期間に注意する必要がある
- 分配金は増減することがある
ALTERNAは、デジタル証券を活用した新しい投資手法となります。
個人投資家が数十億円を超える物件に投資するのは困難ですが、10万円からの少額投資が可能な点が魅力です。
また、申告分離課税が適用されることもメリットと言えるでしょう。
一方で、通常の金融商品と同様に損失が発生する可能性がある点も正しく理解しておく必要があります。
以上が、ALTERNAの魅力と注意点のまとめでした。