高配当株の買い時はいつなんだろう?
本記事では「高配当株の買い時」について、押さえておきたい4つのポイントを解説します。
株式投資で得られる配当金は、不労所得としての魅力が大きいですよね。
POINT
高配当株の中には、年間利回りが5%を超える銘柄もあります。
例えば、100万円を投資すれば、年間5万円の配当金を受け取ることが可能です(税金は考慮しない場合)。
さらに、増配が続く優良銘柄を10年間保有すれば、累計で50万円以上の配当金を得られる計算になります。
魅力的な高配当株投資ですが、実は「買い時」には注意が必要です。
配当利回りだけに注目して投資した結果、大きな損失を出してしまうケースも少なくありません。
そこで本記事では、高配当株の適切な買い時について詳しく解説していきます。
本記事の結論
高配当株は、財務が健全な銘柄が売られすぎているタイミングで購入することが大切です。
そのため、インデックス投資のように毎月定期的に積み立てる投資法には向いていません。
買い時をしっかり見極めながら、少しずつ高配当銘柄を集めていくようにしましょう。
高配当株の魅力とは?
高配当株投資には、「不労所得を得られる」という大きな魅力があります。
配当金 | 事例 |
---|---|
月1万円 | 電気代がタダに |
月5万円 | 食費がタダに |
月10万円 | 家賃がタダに |
月25万円 | 田舎ならFIREという選択肢も |
月1万円の配当金を得るだけでも、「毎月の電気代が実質タダになる」と考えれば、金額以上の大きな価値を感じられます。
配当金が月20万円を超えるようになれば、「アーリーリタイア」も現実的に視野に入ります。
こんな夢のある高配当株投資ですが、買い時には注意が必要です。
特に個別株の場合、「企業業績」や「株価」など、確認すべきポイントが多くあります。
インデックス投資のように「毎月一定額を積み立てればOK」というシンプルな投資法とは異なるため、高配当株投資は初心者向きではないとも言えるでしょう。
そこで本記事では、高配当株投資における「買い時」の注意点について詳しく解説していきます。
「高配当株の買い時」4つのポイントで解説
高配当株の買い時は、以下のポイントを押さえましょう。
順番に解説します。
①株価が大きく暴落した時
株価が大きく暴落した時こそ、高配当株の絶好の買い時と言えるでしょう。
配当利回りの計算式は以下の通りです
配当利回り =(年間配当額 ÷ 株価)× 100
この計算式からもわかるように、年間の配当額が同じでも、株価が下がれば配当利回りは上昇します。
- 年間配当額100円÷株価5,000円×100=2%
- 年間配当額100円÷株価2,500円×100=4%
日頃は配当利回りにあまり魅力を感じない銘柄でも、大きな株価暴落によって「魅力的な配当利回りに変わっている」という場合があります。
一時的な株価下落によって配当利回りが上昇した銘柄を逆張りで狙うスキルが、高配当株投資では求められます。
ただし、株価が暴落した銘柄をそのまま購入するのではなく、下落している理由に注目することが重要です。
- 不祥事や問題発生による株価下落
- 売上や利益率の低下
- 配当方針の変更(減配・無配のリスク)
特に、「企業不祥事」や「業績不振」による株価暴落の場合は、購入に注意が必要です。
配当金は、企業が事業を行って得た利益の一部を還元するものです。そのため、業績が悪化すれば減配や無配のリスクが高まります。
したがって、株価の下落は投資のチャンスである一方で、「下落の理由を必ず確認する」ことが重要だと覚えておきましょう。
②○○ショックなど市場全体が大暴落の時
最近の事例としては、2020年3月の「コロナショック」が良い例です。
この時は、市場全体がパニックに陥り、財務が健全な銘柄でさえ株価が大きく暴落しました。
市場全体で売りが売りを呼ぶ展開となり、事業への影響が少ない企業にも不安が波及したのです。
こういった局面こそ、高配当株を仕込む絶好の買い時だと言えるでしょう。
例:「沖縄セルラー」チャート
沖縄セルラーチャート
コロナショックの影響で、株価は約28%の暴落を経験しました。
その中で、沖縄セルラーはKDDI傘下の総合通信会社であり、沖縄地域で携帯電話のシェアが約50%を占める優良企業です。
このような企業が市場全体の影響を受けて株価が大きく下落した場合、高配当株を購入するチャンスとなります。
- 2年連続増配(株主還元も積極的)
- 自己資本比率80%超え
- 11年連続増収増益
これだけの優良企業であっても、コロナショックでは株価が叩き売られました。
冷静に考えれば、携帯事業は外出自粛の影響を受けにくい業種にも関わらず、市場のパニックによって過剰に売られていたのです。
このように、市場が動揺している時こそ、「業績以上に過剰に叩き売られている銘柄はないか?」を冷静に見極めることが、投資のチャンスにつながると言えるでしょう。
③配当利回りが〇%以上になった時
狙っている高配当株が、あなたが求めている配当利回りに達したタイミングも、絶好の購入チャンスです。
ターゲットとなる配当利回りは投資家によって異なりますが、たとえば沖縄セルラーの配当利回りは約3.2%です。
このように、自分の投資戦略に合った配当利回りをターゲットにして、適切なタイミングで購入を検討することが大切です。
上記で説明した沖縄セルラーの配当利回りは「約3.2%」
3% | 4% | 5% |
3,000円 | 2,500円 | 2,000円 |
POINT
- 株価が2,500円を下回ると配当利回りは4%を超える
ターゲットにする配当利回りは、直近3年間の動向を確認し、その中で最高値に近い水準を狙うのが効果的です。
2020年のコロナショックでは、一時的に4%を超える配当利回りがありました。
④権利落ちタイミング
権利落ちタイミングも高配当株の買い時として有効です。
一方で、権利落ち前は必ずしも買い時ではありません。
権利落ち後は、配当額以上に株価が下落する可能性が高いためです。
例えば、2020年の日本たばこ産業の配当権利落ち後の株価チャートを見ると、株価が配当額を超える下落を見せました。
配当金:77円
株価下落:106円
すべての株に当てはまるわけではありませんが、権利確定後に株を手放す投資家が多いため、配当金を狙った短期的な投資はおすすめできません。
このため、配当狙いで短期間に株を売買する戦略は、株価の下落リスクを伴うことが多いので、慎重に行うべきです。
【対策】高配当株の買い時が難しいと感じたら
高配当株投資に関する対策としては、以下の方法があります。
これらの方法について、順番に解説していきます。
対策①高配当ETFを購入する
高配当株投資が難しいと感じた場合は、高配当ETFの購入を検討してみるのも一つの方法です。
例)米国高配当ETF
- VYM
- HDV
- SPYD
例えば、VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)を例に取ると、約400社に分散された高配当ETFです。
この高い分散性により、特定の銘柄が業績不振に陥っても、その影響を最小限に抑えることができます。
また、日本株に分散投資をしたい方には、国内優良企業50社に分散投資できるETFもあります。
対策②単元未満株取引を活用する
現在、単元未満株取引に対応した証券会社が多数サービスを展開しており、少額で高配当株に投資できるようになっています。
例えば、以下のタイミングで分割して購入する方法も有効です:
- 〇%以上の利回りになった時
- 株価が大きく下がった時
- 権利落ちのタイミング
これにより、自身の資産額に合わせてリスクを抑えつつ投資を行えるため、資産管理の柔軟性が増します。
また、自身が保有している証券口座を中心に、サービスを利用することをおすすめします。
対策③無料スクリーニングアプリを活用する
高配当株投資を行う際には、無料スクリーニングアプリを活用し、投資候補企業のファンダメンタル分析を行うことが重要です。
ファンダメンタル分析に活用される代表的指標は以下の通り
PER(株価収益率) | 15倍以下なら割安 |
---|---|
PBR(株価純資産倍率) | 1倍以下なら割安 |
ROE(株主資本利益率) | 10%以上が目安 |
また、競合企業との差別化や利用者の口コミなど、数値では現れない部分も確認が重要です。
スクリーニングという言葉を聞くと難しく感じる方もいるかもしれませんが、無料で使えるツールが多く提供されているため、誰でも簡単に始めることができます。
高配当株の買い時【まとめ】
本記事では、「高配当株の買い時」について解説しました。
高配当株4つの買い時
高配当株投資の対策
高配当株には魅力があるも買い時が求められる投資手法です。
高配当株は非常に魅力的な投資対象ですが、買い時を見極めることが重要です。
インデックス投資とは異なり、高配当株投資ではタイミングを狙って購入する必要があります。
そのため、購入を検討する企業をリスト化し、「株価が○○○円になったら購入する」というように、日頃からターゲットを設定しておくことをおすすめします。
これにより、冷静に市場の動向を見極めることができ、最適なタイミングでの投資が可能になります。
以上、高配当株買い時まとめでした。